第二話 奴らの目的

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 流石に応えるようだな。まあ、ターゲット発見をあんなに喜んでいたから当たり前か。 「そしてここを『去れ』」  奴はその命令を受け、ヨロヨロとどこかへ歩き去っていった。  ――一人残った穴空き袋小路で、僕は多少なりの考察をする。 「王に関連するということは……例えば王位継承権とかか?」  自身の地位を安泰にするため。なんて理由があったら、地球に来る理由になるかもしれない。  だけど、普通に考えて十三王子の末裔なんて優先順位で見れば下の下だし、眼中になくてもおかしくない。 「仕方ない。続きは別の機会に」  幸い――というかお誂え向きに僕の目的地にシビキって奴が居るみたいだし、スドウと協力すれば話を聞く時間も稼げ……  …………? 「……何だ、眠い?」  能力を使いすぎた副作用か? それともいつもみたいに夢を見るのか? あるいはまた予知夢を?  ……とにかく、耐え難いほどに……眠い。 「ここで……立ち止まる……訳には……」  その言葉とは裏腹に、ガクッと崩れ落ちてしまった僕。  地べたに這いつくばる形で倒れ込み、ほとんど行動不能になってしまった。 「早く……行かないと…………」  匍匐前進ですらない完全な這いずり状態で、奴から逃げていた時よりも無様に進む。  そうして移動できた距離はせいぜい五十センチ。  そこで僕は、眠りに落ちてしまった。  ――眠りに落ちたエイリに近寄る一つの影。そいつは不気味に笑いながら耳にある通信機器を使用した。 「こちら第四部隊隊長ぅ、ネトリですぅ」 「ご要件は?」  相手の声は女性的で、オペレーター的な何かだと予想される。 「ターゲットを発見しましたぁ。つきましては王に申し上げたいことがございましてぇ……」 「分かりました。少々お待ちください」  聞こえてくるBGMにあわせて首を揺らしながら、ネトリはエイリを見下して言う。 「馬鹿ですねぇ。忘れさせてから能力を使っては意味がないでしょう?」  ――エイリの目から、涙が一筋溢れた。 「おやおやぁ? 悪夢でも見ておられるのでしょうかぁ?」 「……準備できました。それではお繋ぎします」  普段はねちっこい話し方で気味の悪い動きを繰り返すネトリではあるが、王と話すともなれば姿勢を正す。 「ボクになんか用? ネトリ」  ――それが齢十の少年であっても。
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