あらすじ

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○同基地内 航天機装格納庫(昼) 航天機装に整備兵が群がり、格納庫内には電動ドリルや金属のあたる音が響く。 大型の航天機装のコクピットに座った雑賀が古志波健一(47)とチェックボードを元に点検を行っている。 雑賀「弾種は徹甲弾・榴弾・曳光弾で良いんだな」 古志波「はい、速射砲と機体の備え付けの砲以外は模擬弾です」 雑賀「了解」 古志波「起動項目は外部からの電源供給で作りましたが、まぁ第一エンジンが始動かかればあとは自前で賄えますよ」 雑賀「分かった」 タラップを上がってメイがコクピットに駆け寄る。 古志波がどいて頭を下げたメイが雑賀の後席に着席する。 メイ「すみません、遅くなりました!」 雑賀「いや、まだ時間まで余裕がある。右手にチェックボードがある起動時の項目を確認しておいてくれ」 メイ「はい!」 全ての整備を終えた整備兵が機体から離れる。 古志波「整備完了!いつでも行けます!」 雑賀「了解、これより起動ならびに機種転換訓練に入るハッチ閉鎖!」 古志波「ハッチ閉鎖!出撃配置に付け!」 雑賀が手元の操縦桿を握ると、コクピットが格納されて機体の装甲が閉じられる。 一瞬真っ暗になったコクピット内部は計器の明りで薄明るく照らされる。 雑賀「準備良いかメイ軍曹」 メイ「は、はい!」 緊張で震える手を押さえてメイは答えた。 雑賀は飛行帽の耳元を抑えると苦しげに話す。 雑賀「大きな声を出さないで良い、内部では機内電話で話せる」 メイ「あっ!その・・・・すいません」 メイは真っ赤になって俯いた。 雑賀「実飛行時間は?」 メイ「50時間程です。航天機装は始めてで、訓練でも魔導機関搭載型の航空機でした」 雑賀「飛べる内に飛んでおこう、何時実戦になるか分からないからな」 メイ「はい」 雑賀「気楽にしていれば良い、飛ばすのは俺だキミじゃない」 しばし無言になったコクピット内に二人の呼吸音だけが響く。 無言に耐えかねた雑賀が懐の隠しから飴玉を取り出す。 雑賀「軍曹」 身をよじって伸ばされた手からメイが飴玉を受け取る。 雑賀「今日は長い、気を張ってばかりだともたないぞ」 メイ「ありがとうございます」 受け取った飴玉を早速口の中にいれた所でメイは雑賀がじっと此方を見ている事に気づく。
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