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○輸送機操縦室(夕)
輸送機機長と輸送機副機長が険しい顔で計器と周囲を見回している。
輸送機機長「不明機はどうだ?」
輸送機副機長「まっすぐ此方に来ます。この速度ですと3分ほどで接触します」
輸送機機長「航天機装で間違いないんだな」
輸送機副機長「通常の航空機の速度ではありません、間違いないでしょう・・・・・・・」
輸送機機長「IFFは、こちらへの識別発信はしてるんだろうな」
輸送機副機長「距離がある為まだ無理です、確認できる識別圏内に入るのはあと1分」
輸送機機長「出迎えの話しは無い筈だ・・・テチス機や派遣隊のなら良いが・・・」
話し合う二人の後方で機密扉が開き忽那が操縦室に入ってくる。
忽那「状況は?識別できましたか?」
輸送機機長「忽那中尉、いえまだ識別圏内に入っていません」
忽那「IFFに応答が無い場合はコースを変更してマヨル島へ向けて救難信号を出してください」
輸送機副機長「逃げ切れないですよ・・・輸送機だから足が・・・」
忽那「いざとなったら機を捨てて脱出しましょう、機材は海に投下すれば敵にも回収はできない」
輸送機機長「分かりました・・・、不明機が識別圏内に入ります!」
スコープに表示された点滅する光点が、味方を示す表示に変更される。
輸送機副機長「識別反応確認、符号確認しました。派遣機の旺嬰です!」
操縦席の空気が一気に弛緩する。
険しい顔だった忽那も表情を和らげる。
輸送機機長「こちら機長、警報解除、警報解除。不明機の識別完了、味方の旺嬰と確認した」
○輸送機内 貨客席(夕)
不安そうな表情のメイ・セレス・愛海・ヨルディナ・ルツィエ達も機長の機内放送を聞いて安堵する。
セレス「良かった、味方だったんだね・・・」
ヨルディナ「でも、出迎えは無い筈だったじゃない。しかも航天機装だなんて」
ルツィエ「兎に角味方で一安心ね」
愛海「そうですね、それより飛んでる航天機装見れるかもですね!」
他愛も無い会話で和むセレス達を見てメイは窓の外を見る。
しばらくすると輸送機の右上方から航天機装が接近するのが見えた。
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