放課後のパティシエール。

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放課後のパティシエール。

○放課後の教室に男女が二人。 辻    (俺のクラスメイト、案乃嬢 薫(あんのじょう かおる)は俺と一度も話したことがない。一年から三年までなんだかんだでクラスが一緒だったが、別に接点もなく、今後話すことも無いと考えていた。二月第一週目、木曜日の放課後。そんな彼女がいきなり俺に向かってこう言った。) 薫    クッキーの作り方教えてよ。 辻   は? 薫    だーかーらークッキーの作り方教えろっつってんの!! 辻    悪い。ちょっと俺部活動で忙しいから。 薫    あんた帰宅部でしょ? 辻    おっ、よく知ってるじゃん。もしかして俺のファン? 薫    普通にきもい 辻    男子にキモいって言っちゃいけないって道徳の時間に習わなかったのか!? 薫    習ってないよ 辻    そーでした… 薫    いきなりで悪かったよ。だから改めてお願い。 辻    ん? 薫    クッキーの作り方、教えてくれない? 辻    はぁ…なんでまた 薫    一年の時の家庭科の授業でクッキー作ってたでしょ?それ見た時に、凄いなこの人って思ってさ! 辻    あれ?一年の時、クラス一緒だったっけ? 薫    ふんっ!(殴る) 辻    悪かった悪かった!! 薫    分かればいい 辻    てか、それ頼みごとする態度じゃねーだろ 薫    猛反省している。 辻    素直ではあるんだな… 薫    それ…でね、もうすぐバレンタインじゃない? 辻    あー… 薫    察するな、恥ずかしいな! 辻    俺にクッキーの作り方教えろってことか 薫    そーいうこと。 辻    うーーーーーん…… 辻    (女子にお願いされたことがなかった俺は、自分でもびっくりするくらいに…チョロかった。) ○体育の休憩中に男二人が談笑中。 友人   で、案乃嬢とクッキー作りをするわけになったわけだ。 辻    あぁ。 友人   いーーーーなーーーーーー 辻    そうか? 友人   だって案乃嬢だろ!?俺も一緒にクッキーつくりてぇーよぉー
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