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お婆さん たまに来てくれてなぁ。
高校生 あの人も魔法って言ってましたけど。
お婆さん 気になるかい。瓶を持ってきてみな、雨水少し溜まったろう。
●高校生瓶を取りに行く。
高校生 少しだけ溜まりました。
お婆さん どれ、ちょっと渡してくれるかな。
●高校生、お婆さんに瓶を渡す。お婆さんはその瓶を軽く振る。
お婆さん それじゃ、婆ちゃんの魔法をかけるよ~。
高校生 振ると、なにが……
お婆さん そうだ、そこにある駄菓子、好きなの一つ選んでねぇ。あげるよ。
高校生 え
お婆さん いいからいいから。
高校生 ありがとうございます。
●お婆さん瓶を隠し、違う瓶を取り出す。
お婆さん ほれ、婆ちゃんの魔法のラムネだ。
高校生 ラムネが復活してる……
お婆さん 飲んでみぃ飲んでみぃ。
●高校生ラムネを飲む。
高校生 ラムネの味だ! すごい、お婆さんどうやったの?
お婆さん はっはっは。こういうことだよ。
●お婆さん、さっきのラムネを取り出す。
高校生 あ、入れ替えただけ?
お婆さん そうだよ~。お前さんが駄菓子を選んでる間にねぇ。
高校生 あはは、お婆さんずるいや~。
お婆さん 子どもたちは本気で信じておったよ。
高校生 いや、僕も信じちゃいましたってっ。
お婆さん 魔法をかけると、婆ちゃんすげーってなぁ。
高校生 あ、じゃあ、ラムネ二本も貰っちゃってる。
お婆さん いいんだいいんだ。それからだなぁ、それを見た子どもたちが外でラムネの瓶に雨を入れて振り回して遊んどったんだよ。
高校生 でもそれじゃあラムネにならないじゃないですか。
お婆さん はっはっは。だから特別な瓶だと言うようにしたんだ。魔法をかけられるのは婆ちゃんだけだと言ってね。
高校生 婆ちゃんすごいや。
お婆さん はっは。ほれ、雨が少し弱まってきたぞ。
高校生 ホントだ。そうだ、また来ていいかな。
お婆さん いつでも来んさい。ほれ、その魔法の瓶あげるよ。
高校生 あはは、魔法の瓶か。ありがとう。
●高校生ハケ。お婆さんハケ。照明元に戻る。
【3】大人と高校生は歩き続けていた。
●高校生、大人入り。
大人 それからよく通ってたなぁ。
高校生 魔法のラムネか。
大人 まだ続きがあるぞ。
高校生 うん。
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