会議

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会議

2月1日9時  暗い部屋。スクリーンに映し出されているのは一体のロボット。名はガイオートラントB。赤色と黒色のカラーリングで派手さはなく、寂しさもない絶妙なバランスで彩られ、少し無駄な部分を感じるロマンに満ちた巨大な機体がそこに映し出されていた。典型的なアニメのロボットのデザインを彷彿させるそれに、手塚肇は嬉々とした目で見ていた。  エティレタス株式会社の運営局局長である38歳中年男性。真剣な目でスクリーンを見つめている手塚は、しばらくすると手元の書類に目を向けた。事前に頭に入れている情報と変わりない内容に、手塚はほっと安堵を覚える。  スクリーンが切り替わり、会議が始まる。中心人物は自分を含め三人。自分以外には戦術局長である谷口と、開発局長である富野が机を挟んで座っている。三つ巴とでもいうかのように大きい円形のテーブルを120度ずつ、三当分する座り方で三人は面を向かわせていた。  周りには三局内の部署の部長らが着席している。部長たちだけで二十人弱ほどの人数だ。  そして、谷口戦術局長が起立し、発言を始める。     
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