脚本一話目

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ベルは一瞥してその姿を認識すると、興味を即座に失ったように視線を鏡へと戻す。それからネクタイの位置を正すように首元をいじり始める。 「このたびは、新国王就任おめでとうございます」 ネリアスはゆったりとした足取りで入室し、ベルとの距離を多少詰めると片膝を床につき、服従する姿勢を見せた。その姿をベルは鏡越しに眺めている。 ベル「ふん、見え透いた世辞は止めろ」 ネリアス「これは失礼しました」 号令を駆けられたように、ネリアスは床に着けていた左膝を立ち上がらせる。 ベル「何のようだ?」 ネリアス「本日の行列では進路を少々変更した方がよろしいかと」 ネリアスの言葉を聞いてベルのネクタイを触る手が停止する。ゆっくり振り返りながらベルは口を開く。 ベル「変更だと?」 ネリアス「はい。その方がご都合の方よろしいかと」 ベルはその言葉を聞き、フッと笑う。 ベル「はっきりと申せ。何が言いたい?」 ネリアス「反乱分子の可能性がございます」 ベル「ほう…面白い。どの程度わかっているのだ?」 ネリアス「確かな情報元からの託です」 ベル「私を暗殺しようとでもいうのか」 ネリアス「危険は極力避けて通ることに損はありません」
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