脚本一話目

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ベル「父上のようにはならない、とでも?」 ベルは前に向きなおし、鏡の方を向く。そしてネリアスの反応を伺おうと、鏡越しにネリアスの姿を凝視する。 ネリアス「お言葉ですが前国王様は―」 ネリアスは期待に反し、表情を崩さずに淡々と答える。ベルは頭に乗せた王冠を右手で取り上げ、再び振り返る。 ベル「私とて、そこまで愚鈍ではない。そしてその真相については多少の見解を持ち得ているつもりだ。そこでネリアスよ。ひとつ訊こう」 ベルはネリアスの方に歩み寄っていき、その途中で卓上に王冠を置く。 ベル「貴君はどちら側の味方だ?」 睨みつけるようにネリアスを見る。ネリアスは新国王を眼前にすると頭を垂れ、敬意を示すようにしながら答える。 ネリアス「ベル様のためならば、この身をいつでも捧げるつもりで居ります」 ネリアスは頭を下げたままの状態で次に目を瞑り、髭さえも微動だにしない。 ベル「信じていいのだな?」 ネリアス「勿論でございます」 答えながらネリアスは片目を開け、ベルの方を見る。ベルは薄ら笑いを表情に蓄え、その視線に応える。 コンコン、とノックの音。 ベル「誰だ?」 扉が開くと配下の一人が顔を見せた。
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