脚本一話目

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胴体からは突起したブロックが左右にひとつずつあり、そのブロックの下には脚と同等のフィルムを纏った直方体の物体が備わり地面に着いている。それらは胴体の色合いへと付随するように白と黒の縦線模様が施されている。顔らしきものもあるのだろうか?ラルフは疑問に思ったが、戸口からでは見えない。しかし足が竦んだ状態で機敏となっては動けず、暫し横たわる巨体を呆然と眺めていた。 ラルフ(これはいったい何なんだ?) 恐怖に似た感情がラルフを支配する。それは、黙認するにはあまりに巨大でありそして威圧的だった。 ラルフ(全長十メートル、いや、十五メートルはあるか?) するとそのとき、巨体の膝辺りが微かに動いた気がした。 ラルフ「こいつ……動くぞ」 本能的に危機を感じ取った矢先、コォォォと空調を最大限に強めたような音が耳を劈き、ラルフは慄くように一歩退いた。 ゴォォォと音は熱を増していき空気を震わせ、左膝がゆっくりと上がると、無機質な扁平足が地に対して水平になり、そのまま着地させる。続いて右側の膝も起き上がり…。 ラルフ「こ、ここは危ない!」 ラルフは踵を返してすぐさま外へ出る。すると「キャー!」という悲鳴が聞こえてくる。
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