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ラルフ(広場のほうからだ!いったい何が起こっている?)
慌てて来た道を引き返し、広場に出る。そこでは猫たちが逃げ惑い、怪我をして立ち上がれない者、血を流して倒れている者。悲鳴、怒号。ラルフは顔を上げる。
そこにはさきほど見たのとよく似ている、二足歩行型の巨大ロボットの姿。
「襲撃だ!!」
何処かで誰かが叫び、新国王のパレード先導役と思われる黒のボックス型自動車は転覆しており炎上している。
「王様は無事か!?」
声は何処からともなく響き渡り続けるが、ラルフの耳には入らない。
「そこのきみ、逃げなさい!」
ラルフにかけられた声。しかし耳には届かず、呆然として巨大なロボットを見上げ、取り付かれたように見つめ続けていた。
巨大ロボットは頭らしき部位を、胴体の中央から真っ直ぐ上の場所に備えており、その見た目は凸の形をしていた。そして背を向けていたのだと、そのロボットが体を翻し、顔である凸の中心辺りに紫の光を発する目玉ひとつがあることで気がついた。紫光を発する目玉が下に動いて地上を見る。(目が合った)。ラルフはその時に感じとった。
「危ない!」
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