あらすじ

2/2
前へ
/27ページ
次へ
弟二九次世界大戦後、数多の戦争により人類は消失した。 その後の世界を引き継いだのは、「猫」と呼ばれる人類にとって慣れ親しい生物だった。 荒廃した地球において、新たに食物連鎖の頂点へと上り詰めた猫は自然淘汰の影響にもより着実にそして緩やかに進化を遂げていった。 西暦二三〇〇年。猫の寿命は人間並みに延びていた。 そして共通の言語を習得し、服を身につけ、二本足で闊歩し始めた猫の世界。 今年十五歳になる茶トラ猫のラルフは、新国王就任のパレードに出向くと、謎の組織よる襲撃に巻き込まれてしまう。襲撃には未知の二足歩行巨大ロボットが使用され、町を瞬く間に破壊し民衆を恐怖のどん底に陥れた。軍部は虎型巨大ロボット『ジャッカル01-022』を出撃させ、これに対抗する。双方の戦いにより町は壊滅状態、阿鼻叫喚となって逃げ惑う市民の猫たち。ラルフは混乱の最中、友人や家族を探し回る。そこで彼は偶然にも、“ニンゲン”と呼ばれていた過去の世界においての征服者と接触をすることになる。ラルフにとって未知の生物である人間は瀕死の状態だった。彼女は息絶える前に、ラルフにこう告げる。 「…この子を、どうかお願いします…」 目の前で死ぬ人間。その人間が背負っていた、一人の少女。謎の生物に戸惑い動揺するものの、ラルフは託された言葉を忘れることができない。 「いったいこの生物は何なんだ?それにさっきの襲撃はどうして…」 蠢く謎の中に、ひとつの真実を求めて奮闘する覚悟を決める少年猫のラルフ。隠された世界の秘密と、世界を取り戻そうとする人間少女のユキ。 世界政府が隠す“ニンゲン”の存在とその理由。生き残った人間たちの目指すひとつの意志とは。西暦二三〇〇年。何千年も前に人間が消え去った世界。 このとき、猫の少年ラルフと人間の少女ユキの出会いが、再び歴史を大きく動かそうとしていた…。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加