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ロボットは右手に銃らしき物体を握っており、銃口を向けようとしたとき。ラルフは思い切り腕を引っ張られた。見知らぬ大人の猫が、ラルフを引っ張り避難させようとしている。
大人猫「撃たれるぞ!」
ラルフ「あ、ありがとうございま―」
感謝の言葉を言いかけたその瞬間、大人猫は姿を消し、ラルフの顔は真っ赤な血で染まる。ロボットの発砲した巨大な銃弾は大人猫をかすめ、千切れた右腕だけが、未だラルフの手を握っている。
ラルフ「う、うわああああああ」
二本足で当たり構わずに思いきり駆け出すラルフ。次第に四本足となって駆け始め、はあはあと息を切らしながらも呼吸の苦しささえも忘却していた。それでも頭に思い浮かぶのは、先ほどまで一緒にいた幼馴染二人のことであった。
ラルフ「ジャレク!サチ!居るのか!返事してくれー!」
気付けば涙を流し、嗚咽を漏らしながらも大声をあげ、ラルフはただ走り続けた。
6
夢中で走り、胸が詰まるように苦しくなり限界となって足を止める。ハアハアと呼吸を整えながら周りを見る。既に十分と広場から離れており、町外れのほうまで来ていた。
周りに他の猫の姿はまばらで僅かな数しか居らず。
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