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そう叫ぶとラルフは足元にある瓦礫のひとつを掴み、思い切り投げつけた。瓦礫はロボットの足首あたりに当たった。僅かな振動、それに気づいたようにロボットは動きを止め、鈍い動作で旋回して体をラルフのほうへ向き直す。紫の目玉が見下ろすように向かい、ラルフと再び目を合わせた。それでもラルフは動じない。恐怖でたじろぐ事さえも既に麻痺していた。
ラルフ「やれるもんなら、やってみろ!」
涙と鼻水でぐじょぐじょになった表情を掲げ、ラルフは叫んだ。ロボットは無言で無機質な機械音のみを発して腕を動かし、銃口をまっすぐラルフほうへ向けようとする。
ラルフ(ここまでか…どうか二人だけでも無事でいてくれ…)
観念したように目をつぶる。
そのとき。
ドシン、と巨大な音。地震のように大地が激しく揺れる。驚き目を開けると、地面へひれ伏すように倒れた巨大な一つ目の化け物。
ラルフ「なにがいったい、どうして……」
こうなった?という言葉を口に出す前には言葉を失い、ポカンと口を開けてその理由を目の当たりにしていた。
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