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そこには軍の虎型巨大ロボット『ジャッカル01-022』が四本足で太陽を背景に立ち、その雄姿を誇示するかのように迷彩色の右前足で先ほどの巨大ロボットを押さえつけている。
スピーカー「そこのきみ、早く非難しなさい!」
ラルフは心酔するようにその光景に見入り、ジャッカルからの発せられるスピーカー音声が耳に入らず、暫し呆然としたようにその場に立ち尽くしていた。
スピーカー「早くっ!!」
ラルフ「は、はい」
そこでラルフはようやく我に返り、被害が少なく見える商店街の先の方へと二足で走り始める。
ラルフ(そうだ母さん、それにローラは無事だろうか?)
気づくと無意識にも方向を急転換しており、自宅のほうへと向かい出す。
ラルフ(けど、このまま真っ直ぐ行くと、また広場の中央辺りを通ることになる。そうだ、迂回して…)
急速転回、方向を変えて雑木林の道のほうへと向かう。それまでの間、左右に首を振って遠方に目を向けると、一つ目の巨大ロボットが他にもいくつか目に入った。
ラルフ「他にもまだ居たのか…あいつ、あいつのせいで!」
思わず駆ける足にも力が入る。
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