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母親「国葬のときにもベル王子は立派だったわ。だからきっと、良い王様になるわよ」
ラルフ「ふーん、そうかな」
つまらなそうにラルフは返事し、皿に残ったシリアルを口にかっ込むように入れてモグモグと子供のように口を動かす。ごくん、と喉を波打つように飲み込むと最後には皿を持って口に傾け、牛乳を流し込む。再び喉を鳴らして飲み込んだところでインターホンが鳴った。
ジャレク「おはようございます!」
外からの声は中にまで十分に聞こえてきた。
ラルフ「あいつら早くないか?」
母親「あら、ラルフのところは広場へ早めに行って、係りの手伝いをする予定じゃかなったの?」
ラルフ「そういえばそんな気も……」
母親「もう、しっかりしなさいよ、この子は」
ラルフ「うるさいなあ」
母親「ジャレク君もサチちゃんも待っているだろうから、さっさと行ってあげなさい」
ラルフ「いちいち言わなくなって分かってるよ」
ごちそうさま、と言いラルフが席を立って玄関へと向かう。扉を開けると、目の前には制服を着た幼馴染ジャレク。彼はメインクーン種の猫。その少し後ろには制服姿のサチも同行しており、彼女は三毛種の猫。二人は共にラルフの同級生である。
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