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一気にまくしたてられる。
「......取り敢えず、続きはやっとくから少し休んでろ」
と言って、ペットボトルを投げてよこす。
いつもこうだ。
私の異変にすぐに気づいてくれる。助けてくれる。
以前理由を聞いた覚えがあるが、はぐらかされた気がする。
今、聞いてみようと思った。
「......1つ聞いていい?どうして分かったの?」
「何が?」
「私が、倒れそうになってたこと」
「......からだよ」
「ごめん、もう1回───」
「お前の事、ずっと見てたからだよ!」
「えっ!」
冗談かと思ったが、翔真の真剣な表情から目を逸らせられない。
「俺は、小さい頃から、お前のことずっと見てた。」
「翔真──」
「好きだ」
周りの音が消え、翔真の声だけが響いた。
好きだ──
「返事、考えとけよ」
そう言って去っていく翔馬の背中を見つめる。
顔が火照っている。
この火照りは夏の暑さのせいでしょうか?
それとも───
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