真夏の恋

2/2
前へ
/2ページ
次へ
一気にまくしたてられる。 「......取り敢えず、続きはやっとくから少し休んでろ」 と言って、ペットボトルを投げてよこす。 いつもこうだ。 私の異変にすぐに気づいてくれる。助けてくれる。 以前理由を聞いた覚えがあるが、はぐらかされた気がする。 今、聞いてみようと思った。 「......1つ聞いていい?どうして分かったの?」 「何が?」 「私が、倒れそうになってたこと」 「......からだよ」 「ごめん、もう1回───」 「お前の事、ずっと見てたからだよ!」 「えっ!」 冗談かと思ったが、翔真の真剣な表情から目を逸らせられない。 「俺は、小さい頃から、お前のことずっと見てた。」 「翔真──」 「好きだ」 周りの音が消え、翔真の声だけが響いた。 好きだ── 「返事、考えとけよ」 そう言って去っていく翔馬の背中を見つめる。 顔が火照っている。 この火照りは夏の暑さのせいでしょうか? それとも───
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加