真夏の恋

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真夏の恋

季節は夏! 猛暑の中、私、朝比奈結夏は駆け回っています。 理由は、体育祭の練習。 練習中に倒れる人を救護テントへ運び、体育委員長も引き受けてしまったので、その仕事もあり、大忙し。 「結夏!手伝おうか?」 そう声をかけてきたのは、幼馴染の高瀬翔真。 小さい頃からずっと一緒で、いつも他愛もない話や言い合いしかしない。 大切な友達だ。 「ありがと。でも大丈夫だから」 精一杯の明るい声と笑顔で答える。 と、その時視界が揺れた。 「おいっ!」 一瞬、何が起こったのか分からなかった。 頭がグラグラする。 「おい、結夏」 翔真の声もぼんやりと聞こえる。 翔真に支えられて立っているのがやっとだ。 「おい、大丈夫か?......救護テント、行くぞ」 「いいって!」 思いっきり翔真の手を振り払ってしまった。 しっかりと立っていられない。 「よくねーだろ!今日練習中もろくに休まず水分補給もせず、ずっと走り回ってただろーが!無理すんなよ」
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