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場面転換・教員室内の回想
平田と灯里が向かい合って座っている
平田一臣「希望調査のデータを紛失したわけではないんだな?」
妙見灯里「はい」
平田一臣「そうか・・・。あまり重く考え過ぎなくてもいいんだぞ?あくまで今回は希望を調査するためだから。天隕高校は地元で就職する為の科も外へ出て仕事をする為の科もある。手に職を付ける為の道も選べるし、研究職への道も開けてる。選べる選択肢が多すぎて迷うかもしれないが、とりあえず興味のある分野とか、それに近いものを挙げてみるだけでも・・・」
妙見灯里「それは、そうなんですけど・・・。身もふたもない事を言うと、進級したくないです」
平田一臣「それは・・・・・・君の成績から考えると、俺は助力できそうにないな・・・」
場面転換・校内の廊下
恥ずかしさで早足になる灯里
妙見灯里(ですよね!というか、自分がみっともなさ過ぎて涙でそう!わがまま言ってるのなんかわかってる。こんなこと言ったってどうしようもないこともわかってる!だけど)
立ち止まり、蹲る灯里
妙見灯里「・・・・・・変わりたくない」
能勢斗真「どうした?なんか仕事でも押し付けられたのか?」
蹲った灯里を上から覗き込む能勢斗真
妙見灯里「能勢先輩・・・」
能勢斗真「おう」
妙見灯里「進級したくないです・・・」
能勢斗真「お前1年の時も言ってなかったかそれ」
場面転換・校内の自動販売機前
廊下の壁に寄りかかりジュースを飲む灯里と斗真
能勢斗真「俺はその感覚全く分からんからな。もっと勉強して早く進級して早く外行きたい」
妙見灯里「すごいなぁ先輩。尊敬する。私も先輩みたいになりたい」
能勢斗真「思ってねえだろ」
妙見灯里「・・・半分くらいは思ってます。私の友達ももう仕事してる子もいるし、自分がやりたい事をしっかり見つけてそれに向かってる子もいるし。私もそうだったらどんなに楽か・・・」
能勢斗真「難儀な奴だな・・・。まあ、あまり根詰めて考えすぎても仕方ねえだろ。そういうときっていくら考えても堂々巡りしかしないし。今日の夜空いてるか?」
妙見灯里「・・・9時にバイト終わるので、それより後なら」
能勢斗真「じゃあバイト終わったら久しぶりに星見に来い。友達連れてきていいから。天体観測部の部室集合な」
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