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妙見灯里「・・・すいません、二足歩行だし、慣れ過ぎてて」
ツーリ「それは嬉しいね。とりあえずその子どこかに置こうか。なんかむちむちしてる」
灯里が手元を見降ろすと、手に力が入っていたのか球体は微かに明滅し変形しながら両手に挟まれていた
妙見灯里「わーごめん!!」
神石原巧「どうした?お客さんか?」
店の奥、キッチンから神石原が顔を出し灯里と球体を見比べる
神石原巧「・・・????」
妙見灯里「すいません店長、今説明します」
場面転換・喫茶店内
喫茶店の外扉に準備中の札がかけられている
神石原巧「なるほどな。まあそれは迷子ってことで良いんじゃないか?近くに通訳もいない翻訳機器も身に着けてないとなるとな」
ツーリ「うん。保護者の方が心配してるだろうし、早く会わせてあげたいけれど・・・。どこに問い合わせればいいかなー。観光庁なら観光客として異星人の入星履歴とかありそうな気もするけど・・・外務省の管轄な気もするし素直に警察に行った方が良い気もするしなー」
机の上に乗せられた球体は灯里の傍によりふるふる震えながら明滅している
妙見灯里「そうですか・・・」
ツーリ「ごめんね。入星した当初も迷子になったことないから分からないや。音声発話圏外も門外漢」
神石原巧「仕方ない。このまま保護してるわけにもいかない。妙見」
妙見灯里「はい」
神石原巧「今日の仕事はそいつを警察に連れて行って保護者の元へ連れて行くことだ。もし警察がそのまま預かってくれるなら戻ってきてくれ。そうじゃなけりゃ付き合ってやってそのまま帰れ。もちろん給料は出すから」
妙見灯里「・・・私ですか・・・」
神石原巧「不服か?」
ツーリ「保護した時の状況とか説明しないといけないだろうし、なにより懐いちゃってるしね?」
ツーリが球体に手を伸ばすと、球体はビクンとはね飛び灯里の方へ転がり落ちる
慌てて球体を受け止める灯里。
妙見灯里「・・・本当に良いんですか?お店、人足りなくなっちゃいます」
ツーリ「それはホラ、私がお水いっぱい飲んで腕生やせば何とかなるから」
神石原巧「来店したお客さんの一大事って事でな。特別だ」
妙見灯里「・・・すいません。ありがとうございます。行ってきます!」
球体を抱え、深くお辞儀をして店を出る灯里
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