第一話脚本

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暗闇 間をおいて、遠くで鳥の鳴く声がする それに続くように単調な電子音が鳴り始める 妙見灯里「(寝起きの唸り声)」 灯里が目を開けることにより、暗闇がぼやけた視界へ変わる 次第にピントが合い、明瞭な視界へ変わる 灯里の視界を埋めるのは、アリシブ・ステラの等身大ポスター 彼女が自身でベッドの真上に設置したものである ポスターをまじまじと見つめる灯里 妙見灯里「やっぱり顔良いなあ」 場面転換・妙見家居間 天隕高校の制服に着替えた灯里はダイニングテーブルで朝食を摂っている 少し離れた所で灯里の祖父母がソファに座り、雑誌を見ながら話をしている 天山智里「色んな形のがあるのね」 天山実次「でかいのはどれだ」 天山智里「あまり大きいのはだめよ。居てもらう場所に困るでしょ」 天山実次「そうか・・・」 その様子を少し不服そうな顔で眺める灯里 妙見里実「学校終わったら連絡してね。迎えに行くから」 妙見灯里「・・・本当に買うの?」 妙見里実「まだ言ってる。いいじゃないせっかくの機会なんだし。おじいちゃん達だって楽しみにしてるんだから。家族が増えると思えばいいのよ」 妙見灯里「・・・・・・」 妙見里実「実際に会ってみればいいじゃない。そうしたら案外気に入るかも」 妙見灯里「いや、いいよ。学校終わったらバイトあるし」 天山実次「なんだ灯里。来んのか」 妙見灯里「うん」 天山智里「あら、じゃあこの中から好きそうなの教えてちょうだい。おばあちゃん達選んでくるから」 妙見灯里「いい。いい。おばあちゃん達で決めてきて。私それでいいから」 天山智里「そう?じゃあそうしましょうか」 妙見灯里「ごちそうさまでした」 灯里は個人の小型端末を起動し、受信メッセージを確認する 天山智里「別に送り迎えなんてしなくてもいいのよ?車もあるし、私達だけで」 妙見里実「駄目よ、人多そうだし。前みたいに怪我したら大変じゃない」 天山智里「でも・・・」 受信メッセージの中に灯里の通う天隕高校からの物を見つける灯里 題名は『未提出の進路希望調査の件について』 妙見灯里「げっ」 内容は、進路希望調査の提出締め切りが過ぎている事。 提出は全生徒必須のため、1週間後には必ず提出する事。 提出されない場合は担当教員との個人面談が行われる事。 進路について迷っている場合は専門の窓口がある為連絡する事など。
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