第1話「抽出と試行」

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化け物が、がくがく震える異常な動きを見せた。 「おえっ、何、あれ!?」 化け物の首から、赤黒い、血に見える何か流体状のものが漏れ出している。 「熱量を感じるわ。危ないっ!」 化け物の首から、光線が放たれた。先ほどの粒子で散乱されて見える光の筋が、トライアルの横に瞬間で出来上がる。 「ええ……」 今のは、当たっていたら消え去っていたかもしれない気がする。また、緊張感が噴出してくる。 「あれは、まずいわ。あれは、天窓から中を焼くこともできるかもしれない」 「えっ!」 あの天窓は可視光は透過するようにできている。放射線を写しているわけでもない通常のモニターや私の目に見えるということは、あれは天窓を透過する可視光だ。 「それは、駄目でしょ……」 宇宙に吸いだされるどころの話ではない。 街は焼かれ、艦にだって復帰不能な影響が出るかもしれない。 世界は宇宙の影になってしまう。 「かといってあたってはまずいわ。距離をとるわ」 「駄目、突撃」 「千鳥?」 「可能な限り速やかに、あれを、やっつける」 なにかがふっきれた。この無重力空間ではコイントスもできない。私が、自分の意志で決める。 「次の一撃を打たれる前に、突撃!」 「でも……」 「ゴー!」 「わかったわ」 加速 「あいつを捕まえる」 「……オーケーよ」 さらに加速。衝突と 同時に熱い抱擁。 化け物の首からあの赤黒い流体が漏れ出てきた。 「千鳥!」 「レーザー!」 抱きついたまま、レーザーをほとんど直にぶちこむ。 赤熱。沸騰。閃光。咆哮。爆発。
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