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「抜ける……!?」
ロボ・リロンの全身が、興奮に震える。
引き抜いたクーパ・ルーの《剣》からは、光が柱となって立ち昇っていた。
「いっけぇえええええッ、ロボッ!!」
クーパ・ルーの《剣》を、ロボ・リロンは大上段に掲げ持つ。そして、蟲型の群れへ向けて《剣》から放たれる閃光を薙ぎ払った。
世界そのものを両断するのではないかと錯覚するほどの、長大で強大な威力を秘めた光の刃。その輝きに触れた《ヨドミ》は、一瞬で蒸発していく。蟲型の群れを消滅させ、返す刀で上空の飛行型を消し飛ばした。
「おおッ!?」
「いける、これならッ!」
《剣》の圧倒的な威力に、ロボ・リロンとクーパ・ルーの意気が上がる。
「つまりだ、オレとおまえの心を合わせろってことか」
「ロボがもう少し素直になれればなぁ……」
「おまえはもう少し物事を深く考えた方がいいぞ」
「他人に合わせるって、難しいね」
「けどよ」
「そうだね」
全方位を巨大人型埋め尽くされながら、ふたりは軽口を叩きあう。
負ける気がしない。力がみなぎる。ここは花道、男の舞台。
惚れたあの子の、目の前だ。
「「格好悪いところは、見せられないッ!!」」
斬る。斬る。斬る。右も左も斬っては捨てて、前へ前へと突き進む。
「先生! 掃討はお願いします!」
「任された!」
止まらないふたりを前に、総崩れとなった《ヨドミ》の軍勢は、女剣士によって率いられた《剣》の使い手たちによって更に一掃されていった。
「ロボ! このまま行くよ! 魔法少女を解放するんだ!」
「任せろ! きっちり水晶だけを斬り裂いてやる!」
ふたりは水晶樹へ向かい、《剣》を正眼に構えた。
《剣》を掲げ、そして振り抜く。その一瞬に、万感の想いを込めて。
だが、しかし。
『ろぼっとドモガァッ!!』
憎悪を撒き散らし《ヨドミ》が吼える。水晶の森が、黒く染まった。
《剣》が振り下ろされるよりも速く、《ヨドミ》の浸食が水晶樹を、いや水晶の森を支配した。
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