最高な僕《ばか》

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 セサミの出来ない車はただのオートマ車だと言い残して目的地に到着した僕。彼女と合う約束の時間はもう少し先だ。ここは一つ、サプライズなプレゼントで彼女のハートを鷲掴みにしちゃる。あっ、もう鷲掴みにしてたんでしたわ。僕ってば罪な男の子っ。てへッ。  それでもこれからお花見だってのにテブラーシカで行くのは流石にナンセンス。ここは鬼殺しとか大五郎とか黒霧島とか色んなお酒を買っていって彼女とパーリナイ。そうして夜は彼女でパーリナイ、フウゥゥゥッ!!  うっきうきな男心を全身で表しながら、近くのコンビニエンスストアでれっつしょっぴんぐ。袋いっぱいに詰め込んだ菓子やら酒やらを両手に握り締めて、スキップしながら待ち合わせ場所を目指す。  道中、圧倒的変質者の極みのようなおっちゃんに「ニイちゃんご機嫌だね。良い事でもあったかい」という質問をもらったから、これから良い事ある……いや、良い子と会うんだよ。とニヒルに伝える。  内心はこんなんでも受け答えはスマートにこなしていくのが僕なのさっ。おっちゃんには何故か複雑そうな顔をされたが、そんなコトはいちいち気にしないのさっ。  彼女との待ち合わせ場所までスキップで行くとしてあと十分くらいか。間違っても"じゅっぷん"なんて読み方するんじゃあないぞ。"じっぷん"だ。日本語は正確にな。  到着までこのままウッキウキのランランルーで行くのも悪くないが、ここでちょこっと彼女との馴れ初めを聞かせてあげちゃおう、遠慮するなって、ブラウザバックするなって。  彼女とは高校一年の時に出会ったんだ。僕が自分のクラスを探すためにミッションインポッスィボゥしてるときにバッタリと。  彼女の姿を見た瞬間……衝撃だったね、身体に雷が落ちた、いやそれ以上の衝撃だったね。雷受けた時の方が衝撃が小さかったくらいだ。あまりの衝撃にミッションインポッスィボゥしてた筈なのに段ボールを被りたくなったくらいさ。  でも彼女はそんな様子の僕を見て、口元に手をあて笑ったんだよ。確信したね、僕はこの子と結婚するんだろうなって。  そこから始まる僕の猛烈アタック劇。いやぁ、みんなに見せてやりたかったぜ? 特に初代ポケなモンの歌を歌いながら、into the 彼女のスカートの時とかさ。鼻と口の隙間にある溝めがけてグーで殴られたよ。あそこって一応人体の急所だからね、半日くらい気絶したよね。
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