『強戦士というより狂戦士とか凶戦士って部類だと思われる。』

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 重厚過ぎる扉を開けると、ダンスホールかのようなエントランスが広がっていた。  シャンデリアが輝きを放ち、赤絨毯が通路に敷かれる。まさに、ザ・豪邸、ザ・勝ち組のオーラを全面的に纏いし最高級住宅。  俺達が扉から数歩進んだところで、通路の奥から少女が走って来た。 「――那由多様。今お帰りですか?」 「ああ、今戻った。亜里沙は何をしているんだ?」 「私は掃除を。あ、お荷物お持ちします」 「すまないな。頼む」  そして神代は少女にバッグを渡す。  年齢は俺と変わらないくらいだろうか。褐色の肌と栗色のウェーブがかった長い髪。暖かい笑顔を見せながら神代と親しげに話す彼女は、さしづめ神代と正反対の存在といったところか。陰と陽。太陽と月。猫と犬。  そして彼女が着るのは、メイド服。そう、メイド服である。まさかこの目で純正メイドを見ることが出来るとは。ネギが知ったら卒倒するレベルだろう。生きてて良かった。ビバ人生。  とここで、メイド少女は俺に気付く。 「……ん? 那由多様、そこにいるお方は……?」 「ああ、監視のため今日からこの屋敷に住むことになった、悠斗という奴だ」 「ああ、なるほど。そうだったんですね」     
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