『強戦士というより狂戦士とか凶戦士って部類だと思われる。』

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 ボロボロの学ランには龍の刺繍が施され、天気がいいのにサングラス。無精ひげが伸び、そして今時リーゼント。なんというアンモナイトな不良だろうか。ぜひ国の天然記念物に指定したい。そして取り巻きの二人も金髪にマスクという鉄板仕様。いつの時代から来たのだろうか。  だが、そこはさすがの神代。一切躊躇することなく、不良達に告げる。 「お前達はこの学校の生徒か?」 「なんだてめえは……」 「お前達はここの生徒かと聞いている」 「おうおうおう! だったらなんじゃい!」 「そうか……。ちょうどよかった。この学校に戦い好きの戦士がいるはずだ。どこにいる?」  あいかわらず恐ろしいほど間抜けな質問だが、不良達はまったく驚く様子もなく、彼女を睨む。 「……てめえが誰なのかは知らねえ。だが、あの人には関わらない方が身のためだぜ?」  急にトーンを下げる不良に、少しだけ驚いた。 「それはどういう意味だ?」 「どうもこうもねえよ。姐御はな、飢えているんだよ。もし自分に会いたいと言っている奴がいると知れば、喜んで喧嘩を吹っ掛けてくんぜ? そうなったら、てめえの可愛い顔が台無しになっちまうことだろうよ」  どういう奴なんだそいつは。  姐御……というくらいだから、女なのか?  自分に会いに来た奴に問答無用で喧嘩をしかけるとは、法治国家たるこの国はさぞや住みにくいことだろう。生まれてくる世界を間違っているぞ。核の炎に包まれても人類は死滅していなかった的な世界に行くべきだろう。今すぐに。     
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