『強戦士というより狂戦士とか凶戦士って部類だと思われる。』

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 こいつこのまま死ぬんじゃねえか?ってほどに落ち込む神代の姿を見て、カタルシスを越えて罪悪感が出て来てしまう。なんだか自分が相当なクソヤローに思えてきた。  このままでは俺の人間性が疑われる事態に発展しかねない。それは阻止したい。なんとなく。 「……あー、なんか俺、無性にクリームソーダが食べたくなってきたわ」 「え……?」 「神代、急いでいるところ悪いんだけどさ。ちょっとそこの店に寄っていいか? 今めちゃくちゃクリームソーダが食べたい。もうすげえ食べたい。食べないと死ぬかもしれん」  すると神代は表情をパァっと明るくさせた。こいつは怪盗二十面相か。  そしてすぐに腕を組み取り繕う。 「し、仕方のない奴だ! そこまで言うのなら立ち寄ってやろう! お前を監視しなければならないからな!」  そして神代はすぐさま踵を返し、ウキウキ気分をバレないようにしているのがバレバレの早歩きで店へと向かい始めた。 「急げ悠斗! 早く!」 「へいへーい……」  勇者様は超絶ご機嫌でいらっしゃいます。  なんだかホッとした自分がいるのはなぜだろう。これが懺悔の気持ちと呼ばれるものなのか。  ともあれ、今日の戦士探しは一旦中断。  噂のダイナミッククリームソーダを拝むべく、俺達はカフェへと入って行った。
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