『強戦士というより狂戦士とか凶戦士って部類だと思われる。』

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 神代家の飯は想像を絶するほどの美味である。  牛フィレステーキのなんちゃら添えやら、魚のなんちゃら仕立てやら、テレビのグルメ番組で出てくるような飯が並び、そして全てがあり得ないほど美味い。  美味い、が……ダイナミックなクリームソーダを食べてしまった俺の胃袋には、そんな飯が入る隙間などなかった。  笑顔で料理を用意する馬平さんに申し訳なく、とりあえず食べたが……胃か阿鼻叫喚の様を成している。  ちなみに神代は、さも当然のように全てをあっさり食べきっていた。ダイナミッククリームソーダとビッグバンコーラフロートを食べて尚、夕食を完食するとは……。奴の胃袋もまた、勇者仕様なのかもしれん。  しばらくベッドでゴロゴロしていたが、胃腸が絶賛躍動しとても眠れるものではなかった。仕方なく起き上がり、夜の散歩をして体を落ち着かせることとする。外のこれまた公園みたいな中庭のベンチに座り、ぼんやりと夜空を見上げる。  春とはいえ、夜はまだ少しだけ肌寒い。  しかしながら、定期的に吐き気を催すほどに体調の悪い俺にとっては、そんな涼しい空気はちょうどいいリフレッシュとなっていた。     
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