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下校の時間、僕よりも年下の女子生徒とマリアが廊下で何かを話していた。
以前にも似たような光景を見たことがあった。以前見たときと、マリアが話している生徒は違う生徒だった。
共通しているのはマリアが話しているのは僕よりも年下の低学年の女子生徒ということだった。そして、マリアと話をしている女子生徒は毎回泣いていた。
僕に気づくと女子生徒は泣くのを辞めた。
どうして泣いていたのか疑問に思い尋ねてみたが、マリアも女子生徒も泣いている理由を教えてはくれなかった。
怪我をして泣いているというわけでも無さそうだった。二人とも、僕になにか隠し事をしているように思えた。
マリアが年下の生徒を泣かせる様な事をしたりする人だとは、僕には思えなかった。それともマリアにはなにか僕の知らない秘密でもあるのだろうか?
マリアがいない時に、何人かの生徒にマリアの事についていくつか質問してみた。僕が学校に来る前はどうだったのか、マリアとは普段どんな話をするのか。
だけど、マリアの事を悪く言う生徒はこの学校には誰ひとりとしていなかった。普段教室で過ごしているときもみんな変わらずマリアの事を慕っているように見えた。
マリアの言うことにはどの生徒も逆らうこと無く、よく言うことを聞いた。そしてマリアが間違ったことをすることも、一度も無かった。
ある意味では、マリアは先生よりも他の生徒達を上手く統率していた。
ある日学校の先生は、以前泣いていた女子生徒を事務室に連れて行った。面倒見の良い先生は、他人に言えない女子生徒の悩みを聞いてあげているようだった。
先生は生徒達の相談によく乗ってくれた。普通の生活が困難な子供が多かったからそれぞれ人に言いにくい相談事もあるのだろう。
僕も先生に一度相談に乗ってもらったことがあった。最近よく見る奇妙な夢の事だ。
夢の詳細な内容については伏せておいた。先生には変な夢を最近よく見るとだけ話した。もちろん、目が見えないと嘘をついているということは相談しなかった。嫌な夢を見るなら、楽しい事だけを考えるようにすればいいと先生は僕にアドバイスをしてくれた。
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