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(大丈夫 お姉ちゃんは貴司を一人にしないから)
父親は昔は優しい人だった だがある日を界に人が変わったのだ 毎日イライラしては母親に当たり 酒を飲んでは暴れる 挙げ句お金を持出しては帰って来ない日も多々あり そんなある日
私が10才 弟が9才の時母は逝った 亡くなる前に私達姉弟へと 通帳と印鑑をそれぞれ作り渡した
(これはこの先あなた達に必用だから けしてお父さんに見つからないように)
これが最後の言葉だった
母親が亡くなった後 直ぐに継母が我が家にやってきた 母親の死が継母だったのかは当時は判らなかったのだ
継母の陰湿な虐待と父親の暴言で耐えきれず何度家を飛び出した事もあった
学校でも同じだった 神様はどれだけ私に試練を与えるのでしょうか
父親に相談も無 私達姉弟には関心なかった
学校も同じ 先生に相談しても あの子はそんな事しないだった その取巻きさえも担任は味方だった
だよね 佳歩の父親は刑事だもん…
もう無理 限界だった だから決めたのだ
自ら命を絶とうと
13の夏 蝉の鳴き声が微かに聞こえ 遠退く意識の中 私は神様に呟いた 地上へ…導いて下さいと
望みが叶うならば 来世は裕福な家庭に じゃなきゃ意味がありません
そして近場にお願いします 貴司の側にいたい…。
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