2.女性客

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2.女性客

そんな話をしているとき、若い女性二人が店内に入ってきた。 「池手名さん、あの子たち、可愛いくないですか?特に手前に座った子、凄く可愛いすよ!」 いぞうがチラッと目をやる。童顔で10代にも見えたが、おそらく新人社員と同じ20代前半くらいだろう。 「でも、ラーメン屋だもんなぁ。声かけれないすよねぇ。バーとかだったらなぁ。」 「さっきの僕の話。覚えてるかい?」 「これまでの行動がどうたらってやつですか?なんとなく覚えてます。」 「そうか。これまでだったら、今の状況で君はどうしてた?」 「何もしないすよ。可愛い子いるなぁと思ってラーメン食って帰りますよ。」 「今日もその行動をとるとする。つまり何もしないとすると、待っているのはつまらない明日だよ。分かるかい?」 「はぁ。」 「僕はね、仕事以外のことでも、いろいろ君に教えてあげたいんだ。毎日がつまらないと言う君を、ほってはおけない。」 いぞうの口調が熱くなってくる。
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