小町娘

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「ほんとに面白い人ね」  ふと気が付きますとおしんが側にしゃがみ込んで、清三の顔を覗き込んでいる。どうやら少々近目の気があるようなんですな。 「駄目よ、そんな不義理をしちゃ。こういうことはちゃんとしとかないと」  おしんの顔がぐっと近付き、清三はもう息が止まりそう。 「あたしはね、どこにもお嫁になんて行かないの。だって、お店を守るんですもの。清三さんは、お婿に来られて?」 「………いくよ」
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