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それは、とある放課後の事。
桜が舞い散る入学式から数日の出来事だった。
変な力が使えると言う池田ケイは、貧乏だと言う事もあって早速虐めの標的になった。
「ふぇぇ~ん……痛いよぉ……」
ゴミ箱を頭から引っくり返されたケイは、その場に膝を突いて座り込んだ。辺りからは、クスクスとした笑い声が聞こえてくる。
力が使えるなら、やり返したら良いのでは?
見る側からすればそう言いたくなるところだが、当時のケイには反発する勇気もない。
そして、その様子をじっと見て虐める側にも助ける側にも入っていなかった女子が一人。シャープな目付きで髪は既に茶色に染めており、ショートボブと言う洒落っ気のある……如何にも、不良といった感じである。
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