序章

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 記憶は決して、脳にのみ保存されているのではなく、血肉の隅々にまで分散して、何があっても忘れないようにと大切に保管されているものである。いや、そうであって欲しいと、ラビィは胸元を手繰り寄せた。 「思い出して。あたし達との大切な日々を。消さないで。また、一緒に笑いたいよ」  ラビィはひたと、青年を見上げた。
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