第1章 光の粒子が導く出会い

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第1章 光の粒子が導く出会い

 寝ても覚めても、人は夢を見る。そして、いつの世も――現実性を帯びた空想に、際限の無い無限なる可能性を託して生きる。干渉なき架空を仰いでは穏やかに微笑んで、巡り巡る日々を受け入れては前進をしてきた。  未来、私たち人類は各々の想像に花を咲かせ「科学と非科学の握手」を皮切りに、それら一体を「現実のもの」として興ずるようになる。  そして、それは「光の粒子による仮想世界」と呼ばれた。  人為的なるプログラムが支配しているとはいえども、実質それは「光の粒子」を有効化する為の文字列であって、世界は筆紙に尽くしがたい摩訶不思議なアルゴリズム――研究職に就いている人々の中には、既存のアルゴリズム、たとえば「遺伝的アルゴリズム」的側面があって、その延長線上にあのような計算法も存在するのだなどと主張する者もいるのだが、その本質は未だに解明されていない手段――によって形象をたもっている。まるで神の手業で芽ぶいた「本物の世界」と同じように――そんな神秘の下で生れた生命体の一人に、ラビィという女の子がいた。     
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