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夜の終わりに鶏冠のついた鳥が鳴く。上がる光に針が鳴る。 鼻腔を擽る朝の香りに、唸る声は掠れている。もうそんな時間か。考える脳が動きだす。 顔をあげればガラス越しに、小さな黒い瞳と目があった。歌うように囀ずるそれに、ぼんやりと微笑み言葉を投げる。 「おはよう」 今日もまた、朝がきた。
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