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優しき声に耳を傾け、導かれるままに進むといい。それは奇跡の道のりで、穏やかなヴェールに君は包まれることとなるだろう。
清らかなる水の流れに従いて、流れるままに歩んで見せよ。そうして踏み込んだその部屋の中、君は初めてハジマリの鐘を鳴らすはずだ。
恐れてはいけない。進んだ先に、君の未来は待っている。長くにわたり待ち望んだその光を、手放すことは愚かなことだ。
止まらず進め。振り返ることなく歩め。伸ばされた指先に触れて見せよ。君にはそれができるはずだ。
流される雫の美しさを、尊さを、よく目に焼き付け、声を荒げよ。それは……
──それは、君にとっての、初めての大仕事となるだろう。
(出でたる命へ、舟の守人より)
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