幻想通学路

下校

キーンコーンカーンコーン♪…　キーンコーンカーンコーン♪…

「今日の授業はここまで。では、この後は終礼のホームルームの時間です」

　武府(ぶふ)市立第八小学校、一年三組の担任、優しそうな表情をした青山先生は、四時間目の授業が終わるチャイムを聞くと、生徒にそう言った。

　一年生の生徒たちは、青山先生の言葉を聞き、まだ慣れない手つきで授業で使った教科書とノートを仕舞い、教室の後ろにあるランドセルをおのおの取り出して、順々に帰り支度を始めた。

　クラスの生徒の殆どが、ランドセルを机の上に置き終わるのを青山先生が確認すると、

「はい。皆さん帰り支度は整いましたか？まだの人が居たら手を挙げて先生に教えて下さい」

　そう言って先生はクラス全体を見渡し、生徒たちも周りで支度がまだ済んでいない子がいるかどうかキョロキョロ見渡す。

　クラスの皆が帰り支度を整えたのを確認すると、青山先生が終礼のホームルームを開始しますと宣言する。