第4話 婚姻届の重み

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婚姻届はこんなに暗い気持ちで書くものではないはずなのに。 事務的につらつら書いただけのこんな紙切れが、私の人生を大きく変えるんだ。 その行為に重みなんて感じなかった。 結論。婚姻届に重みはない。 それはピラッピラのただの紙切れで薄っぺらい。 ―――まるでこれから始まる私と彼の関係のように。 「……書けました」 「よくできました」 記入済みの婚姻届けを見た彼は満足そうに口角を上げる。 120%脅しで成立したこんな結婚、うまく行くとは思えないのにどうしてそんなに嬉しそうに笑えるのか…謎だ。 「あの…一つ言っておきたいのですが」 「なんだ?」 「私はあなたに一切尽くしません。愛情の欠片もありません。それは理解していただけますか?」 「勿論分かってる。そんなのは必要ない」 「そうですか。それを分かってもらえるなら良かったです」 私達の割り切った関係が…今、始まる。 ……………はずだったのに。
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