~とある少女、櫻の樹の元にて~

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勇気を出して神社の境内へ! 十年前と同じく桜は優しく咲き誇っている。 そんなに広い神社でも無いのにお洒落をした場違いな女が一人。 境内を歩き進んで行く中、ひらひらと舞う桜の花びらが私の後押しをしてくれる様に感じられた。 そして目的の約束の場所へ着いた! 神社で一番大きな桜は見事に咲き誇っていて久々に見るその景色はそれはそれは美しかった。 ……でも遠くから見回して見ても優らしき人物どころか人っ子一人居ないのだ。 ……「やっぱり 駄目だったんだ……」 諦めて帰ろうとした時、突然、背後から声を掛けられた。 「悠亜……っ!」 少し低くなったアルトの声。でも、その声は聞き覚えのある彼の声。 間違える事なんか無い…! 「優……っ!」と私も声を掛け振り返ると、 其処には十年前の面影を僅かに残した美しく優しく微笑む男性が。
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