第1章

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 ……わたし、きみはいつか、わたしの元から去るんじゃないかって。  それこそ、高校はすごい頭のいいとこ行ったり、大学は東京に通ったりして、遠くに行くんじゃないかって。心のどこかで、ちょっと思ってたんだ。  でも、でもさ。  もしかしたら……いや、なんでもない。  今は、それよりも大事なことがある。 「ねぇ、キン。わたしの名前、ちゃんと呼んでよぉ」 「……っ」  キンは、本当にばつが悪そうにいった。 「てれる」 (了)
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