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もう私の体はこの名前も知らない誰かと溶け合うようにくっついていた。
お互いを食らうように貪り、時々形を変えながら溶け合い求めあっていた。
浴室の床で転がりあったり、体を拭きながら繋がったり、タオルで縛られたり。
気がつくとベッドの上で腰を振っていた。
彼がいくのも気に止めず腰を振り、噛みつき、途中からどちらに主導権があったのかわからなくなるほどだった。
きっとご近所にはこんなことをしてるなんてばれないほどの雨風が外で音をたてていた。
雨粒もきっと大きいのだろう。
雨というより滴というかそんなおとであるボタボタという表現が良さそうな気もする。
私が疲れてうとうとしてるとまた彼がいじり始め体が感じるための準備体制に入る。
それでも間髪いれずにやっているので、大事なところは疼いてじんじんするし、以前より敏感に作り替えられてるような、そんな気さえする。
早く欲しくて私は彼のものに舌を絡め這わせて、促す。
私はどうしてしまっているのか?
ただただ今このときが終わらなければいいとそう思っている。
こんなに気持ちいいセックスしたことがないと私は思った。
いつの間にか雨は止み、また二人で湯船に入っていた。
浴室の窓には朝日が差し込んでいた。
私の思考はまだ体に気をとられている。
疼きの止まらない体がまたしたいと、今にも叫びだしそうだから。
「おい、あんた仕事はあるのか?」
その一言で私の思考が一気に目覚め始めた。
脱衣場にあった、時計を見に出て体を洗って着替えようとすると、びしょ濡れだったはずの服がいつの間にか洗って置いてあった。
パンツも違うものではあったが置いてあった。
この人になんて挨拶したらいいのだろうか。
とにかく出掛けなきゃという思いになり、服を着るなり玄関に飛び出した。
「お邪魔しました!また今夜お話があるので伺います!」
と告げて仕事に向かった。
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