0人が本棚に入れています
本棚に追加
1
「Hey!彼女、話相手になってよ」
新しいクラスで1人本を読んでいた私に対する当てつけか。無視だ無視。
「Hey!彼女、放課後ヒマ?一緒にお茶していかない?」
虚弱な上に頭が悪くおまけに度胸もない根暗な私が帰宅部なのを馬鹿にするのか。無視だ無視。
「Hey!彼女、家どこ?送っていくよ」
私の家を特定してどうする気だ、ふざけるな。無視だ無視。
「Hey!彼女、今度の休みに遊びに行かない?」
休みの日にまで知り合いと関わるとか地獄だろ。無視だ無視。
「Hey!彼女、付き合い悪いね、付き合ってる人いるの?」
この私に彼氏どころか友達なんているわけ無いだろ馬鹿にしてんのか。無視だ無視。
「Hey!彼女、こんな時間まで図書館で勉強?すごいんだね君」
娯楽本を読んでただけだ馬鹿、というかなんでまだいるんだよ。無視だ無視。
「Hey!彼女、夜遅くに悪いんだけどさ、ちょっと相談に乗って欲しいんだけど」
悪いと思うなら話しかけるな、私に相談事なんて解決できるわけないだろ。
無視だ。
「・・・」
好きな子にずっとアタックし続けているけど無視され続けているねぇ。
自分の話ばっかりしてりゃあ避けられて当然だ。
相手が話しかけてくれるまでずっと待ってろよ
そのうち、可哀想に思って話しかけてくれるかもよ。
好きになってくれた相手を嫌いになる人間なんてそんなにいねーんだから。
なんだよ、その顔。こんなんで解決したなんて思うんじゃねーよ。素人意見だぞ。
「Hey!彼女、今夜はありがとな!」
別にいいよ。そんなの。
「Hey!彼女、君が言うとおり話しかけてくれたね」
え?
「今夜分かれる前に聞いてもいいかな?」
急になんだよ
「Hey!彼女、私と友達になってよ」
おいおい、相談の好きな子ってまじかよ───。
「とりあえず、友達からな」
今はまだ、それしか言えねえよ。
最初のコメントを投稿しよう!