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ねえ、なんか臭くない?
「ねえ、なんか臭くない?」
クラスで1番やかましい男子がわたしの席の横を通ったとき、そう言った。
「ん~、なんだろう、このニオイは」
うるさいなあ、こいつは。
そうだね、確かに臭いニオイがするだろうね。
なぜなら、わたしがさっき、おならをしたからだよ。
昨日、焼肉をたくさん食べた影響だろう。
おならの音はうまく消せたけど、ニオイは当然消せなかったか。
「ん~、これは、おならのニオイじゃねえか? ズバリ、このへんにいる誰かが屁をこいたんじゃねえの?」
も~、なんなんだこいつは、ホントに。
仮にそうだとしても、なぜそんなことを言う?
自分から『わたしがおならをしたよ』なんて言う女子、いるわけねえだろ。
「臭い、臭いなあ。誰だろう、屁をこいたのは」
このやかましい男子はそう言って何度も鼻をクンクンし、おならをしたやつが名乗り出るのを待っている感じだったけど、そのときだった。
「別にいいじゃねえかよ、おならをしたって」
そう言ったのは、わたしの隣の席に座っているユウスケだった。
「さっきからおまえ、鼻を何度もクンクンしてニオイを吸ってたけど、それ、俺のおならだからな」
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