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雨の日は憂鬱──
鏡の中の、自分のうねる髪の毛を見て溜め息が溢れた。
六月、梅雨入りしたと思ったら、シトシトと雨空が続いている。
癖っ毛である私の髪の毛は、雨の湿気に弱い。髪の毛を洗った前日の夜から、どんなに気を遣って髪の毛に手を加えても、その湿気のせいであっという間に元通りだ。
うねる、広がる……
朝シャンプーをしても、家を出て雨の湿気にあえば結果は同じだった。
まとわりつく湿気が不快なこの時期、私の心の中の不快指数も急上昇だ。
飾り気のない黒いゴムで括って、高めのポニーテールにする。
いつも以上に大胆にはねる前髪は、ピンで押さえた。
手鏡を持ち一応合わせ鏡で後ろも確認するが、やっぱり溜め息しか出ない。
ムダだとわかりつつ耳の前の後れ毛を、親指と人差し指でつまんで引っ張ってみる。
指を離せば、まるでクルクル巻いたコイルが弾んだように後れ毛がはねた。
コテで巻いたわけでもないのに、見事な縦巻きロール……
今日、何度目かわからない溜め息を溢した。
中学生の時「ストパーかけたい！」と言えば、「早すぎる」とお母さんに返された。
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