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この春、高校生になったから今度こそはと思ったのに、「ストレートパーマのお金は自分で準備しなさい」ときたもんだ。
とりあえず、夏休みにバイトをする事を交渉した。期末テスト、がんばらなきゃいけないけど。
「真帆~!早くしなさい!」
「は~い!今降りる!」
階下からのお母さんの呼びかけに、私は返事をして鏡の前から立ち上がった。
自宅から最寄り駅まで、自転車で走っても十分はかからないが、雨の時はお母さんに車で送ってもらう。
帰りは、迎えにきてもらうか歩いて帰るかになる。
誰かの手を煩わせる事はイヤだが、朝は一分一秒が惜しいから、お母さんに甘えていた。
高校がある町の駅まで、約一時間二十分。私は列車に乗って揺られる。
はっきり言って遠い。もっと近い町にも高校はあるので、同じ中学で私と同じ高校に進学した子は少なかった。
二駅先で、ボックス席に一人で座る私の元に同じクラスの女の子が二人乗車してくる。
「「真帆~、おはよう!」」
カオリは、クラスの席が私の前だった。同じ列車通学だった事もあり、すぐに仲良くなった。
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