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いじわるな桜の精
桜の木の下には死体が埋まっている。
この噂話は誰しも知っているものだ。
そんな噂話を知っている俺が、学校をサボって噂の真相を確かめようと学校の裏山にある大きな桜の木を見に行ったら。
木の下に人が倒れているのだ。
しかも、血まみれで。
「やっぱり、噂は本当だったんだーーー!!!」
俺が腰を抜かして地面にへこたれると、
「ふ、フフフフフ……」
倒れている死体がいきなり笑い出したのだ。
そして、むっくりと死体が起き上がった。
「やーいやーい。ひっかかってやんのー!」
顔面血まみれの少女が俺のことを指差して笑った。
「ところで、お兄はんにちょっと頼みたいことがあるんやけど、ええやろうか?」
ひたすら笑った後で、彼女はこういった。
「顔拭くもん、持ってへんやろうか?」
「あー、すっきりしたわー」
丁度ウェットティッシュを持っていた俺は彼女に渡すと、まるで定食屋にいるおっさんのように拭き始める。
「……アンタ、こんな所で何をしていたんだ?」
「ん? 見て分からへんかった? 死体ごっこやで?」
満足気に彼女は笑う。
「いや、なんで死体ごっこをしているかというのを聞いているんだが」
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