学生の本分は恋愛です。

3限目 恋を捧げて愛を待つ

　あとよしりんの特徴といえば、眼鏡と髪型がダサいこと。尖った三角眼鏡と、前髪をきっちりと分けた七三のせいで影では生徒から【ザマスモト】なんてあだ名で呼ばれてる。本人もそう呼ばれてるって気が付いてるんだけど、イメチェンの予定は無いらしい。
　せっかくすっきりとした顔立ちはカッコいいのに。でも、ナンセンスな姿ですら今では可愛いって思ってる。

　今ではよしりん以外に好きになる人なんてこの世に居ないって思ってるけど、私も最初はこの教師が嫌いだった。
　ウザくてしつこくてなんでこんなに干渉してくるのか分からなくて、正直に言えば死ねば良いのにって思ってすらいた。思うだけで実際に死なれたら嫌だけど、でもその当時に、もしよしりんが怪我とかしてたら「ざまーみろ」って思ったかもしれない。友達と一緒にヒソヒソと笑ってたかもしれない。

　よしりんへの見方が変わったのは、この人は私の事をちゃんと見て、知ってくれようとしてるんだって気付いた時からだ。同時に「そりゃこんな性格してたら誰にも好かれないわ」とも思ったんだけど、よしりんが素敵な人だって気付いたのが私で良かった。
　だって、こんなにもカッコよくて素敵な先生、他の誰かに取られたくない。
　皆に知って欲しい気持ちもあるからもどかしいけど。でもでもやっぱり私だけの先生でいてほしくて。

　ホント、恋っていうのは自分勝手で厄介な感情だ。