3限目 恋を捧げて愛を待つ

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「それより早く帰って勉強しろ受験生。」 「えっ?そしたらよしりんと一緒にいられないじゃん!」 「一緒に居る必要性を感じないんだが…。」  果報は寝て待てって言うけど、私は人事を尽くして天命を待つって言葉の方が好き。だってそっちの方がやる気が出るし、大人相手に恋の駆け引きが出来るほど恋愛豊富じゃないから。  これだけアピールしてればきっと神様がよしりんの脳みそをちょちょいと弄って私を好きになってくれるんじゃないかな?なんて、甘い期待だっていうのは分かってるけど。  教師と生徒の恋愛がタブーである以上、堅物のよしりんが私の気持ちに応えてくれるわけが無いもん。  でも、どうしてそもそも教師と生徒の恋愛が駄目なんだろう。そりゃ、贔屓があったり、実際には無くても贔屓を疑われたりしたら面倒だけど、私たちだって真剣に恋をしているというのに。  大人は【まだ社会を知らない子供だから年上への憧れと恋とを勘違いしているのだ】と決めつけてしまうけど、私たちだって大人が思っている以上に子供じゃない。  子供だった時に体験して知ってる筈なのに、どうして大人は大人になったらそれを忘れてしまうんだろう。
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