学生の本分は恋愛です。

いちにちめ 1限目 【百合】センスのない妃奈扇の恋

　昔から、センスが無いと言われ続けてきた。

　誕生日プレゼントをあげたら微妙な顔しかされたことがないし、可愛いと思って選んだ服は似合わないと笑われるし、調理実習の盛り付けなんてもってのほかだった。
　私からすれば、誕生日プレゼントなんて自分の好みを押し付けるような慣習だし、服の好みなんて芸能人とかモデルが流行だと言って雑誌に載せてる奇抜で奇天烈な衣装に比べたら私の方だマシじゃないかとひそかに思っているし、料理はお腹に入ったらみんな一緒だと思っているのだけれど。

　世間様からすれば、どうやら私は【普通】の感覚の持ち主ではないらしい。

　そのことに気付いたのは、彼氏に「お前って笑いのセンスもないよな」とつまらなさそうに言われた初デートの帰り道の事だった。