バラオの棘

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「お待たせ」  いつも通り、学校から2駅離れた駅の改札で待ち合わせ。駆け寄ってくる神原くんは、やっぱり人の視線を集めてる。  眩しくて、視線を斜め下に向けた。  何気なく手をとって、堂々と歩く。  私は穴を掘ってそこに埋まってしまいたい気持ちになる。  ひたすら居心地が悪かった。 「今日もサーティーワン寄っていい?」 「……うん」 「あっついなー」  パタパタと手で顔を仰ぐ、神原くん。つぅっと落ちる汗。  初めて会話した日を思い出す。  雨が降った後で、今日よりずっと蒸し暑い日だった。
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